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ディーラーとナースとの秘話

 「最近、競合の会社がどんどん進出してきてるわね。」 「自分も開発に力を入れてるし、京セラに負けるわけにはいかない。離島の方にも営業行ってるんだ。」 「ここは私に任せて、企業カウンセラーがついてるし、しかもボランティアよ。それからコーディネーターの案件、関西エリアはまだ弱いから、コラボするなら戦略が必要よ。落とし穴があるから気をつけなきゃよ。カウンセラーを味方につければ営業も安泰ね。応援してるから事業拡大頑張って。私も開業の準備で、あなたのネットワークの力を借りたいの、フェアな関係よ。」 「今度、阪大の先生に会うから、時間を取って京都で打合せをしよう。」 「〇〇先生どうしてるかな?整形外科の〇〇先生、接待の話しよくしてたわよね。学会の後のお楽しみの仕事だよね。」 「病院じゃ、ゆっくり話しも出来ないしな。そんな時間も必要だよ。◯◯先生、ゴルフも好きだし…。」 「大阪医大の〇〇ドクターったら、オペ中にすましてそんな内緒話しするのよ。マイクロのオペ中、わたし一生懸命なのに…『藤井くん、メッチェンちょうだい。衡、先を利かせてな。綺麗なお姉さん好きですか?』『好きですよ、〇〇先生。』って。外科や脳外と全く違う雰囲気なのよね…。」 「ことちゃんにはいつも優しいやんか。」 「藤井くん、バイクリル付けてちょーだい、慌てず焦らず落ち着いて、手は早くな。」 「はい、先生どうぞ。」 2人の整形外科医トークを聞きながら、マイクロのオペは、丁寧に終わりました。 「藤井くん、この前のオペの写真出来たで、お嬢ちゃんにママが働いてる所、見せてあげてな。」 「〇〇先生、いつもありがとうございます。」

蛙の子は蛙

 彼女は、地主の長女として大切に育てられました。 戦時中も学業に専念し、女学校を卒業しました。 周りから慕われて立派な大人になりました。 結婚して子供を授かり、息子と娘達は立派に育ちました。 そんな誰からも慕われる英雄の側に多くの人が集まっていました。 周りにいた人達は、英雄の側に集まっては、弱者をターゲットに悪口を言い合いました。 周りの人達は顎の先で、弱者を駒使いのように使っていました。 弱者が言いなりになる姿を見て、兄弟子孫達は何をしても許されると学んだのでしょう。 弱者の家から家財道具を無断で持ち出す様になりました。 弱者は罵詈雑言を浴びせられ、家財道具がなくなる事を嘆きました。 弱者の家族は心労で床に伏せるようになりました。 その姿を見て、周りにいた人達の1人が、家族が健康でないのは弱者のせいだと罵り、精神的肉体的に傷を負わせてしまいました。 そんな様子を見ていた隣人は、情けから使い物にならない品々を弱者の家に置いて行くようになりました。 弱者は、使い物にならない品々ばかりが、家財道具として増え、更に嘆く事になるのでした。 世間から高く評価され慕われる英雄が発信した行動が、周りの人達にどの様な影響があったのでしょうか? いつの時代も弱者は、シチュエイション毎の苦悩の生活を虐げられる者となるのでしょう。 平和・同和・人権教育で、人の大切さを感じたり、相手に対して理解する事ができたり、家族や仲間同志で尊重できる環境作りができたら素敵だと願う。

医療ミスのトリック

骨頭壊死の原因は… 敗血症の原因は… 急性心臓病の原因は… 腹腔鏡下のオペが開腹になった原因は… 「レスパイト入院お願いします。」 「母の看病に疲れました。 ごめんなさい、本当にごめんなさい。」 担当した私に泣きながら何度も謝るのです。 「娘さん、ご自宅で介護を頑張って来られたんですから、安心して少し身体を休めて下さい。」 患者様は、体のあちこちに褥瘡があり、皮膚が壊死して、意識が混濁しています。 腐敗臭が…生きている人の体から…そんな匂いがするのです。 ひとりでは困難な看病も、専門医療チームで手当てをすれば元気に回復されるのです。 「〇〇さん、歩ける様になったんですね。」 「リハビリの先生がよくしてくれました。」 救急医療ですぐに助けられる命と、長い時間をかけて助けられる命があります。 そしてひとり介護を任され、ご自身の身体もが潰れてしまいそうだったご家族が、明るく回復されて面会に来られています。 懸命に看病や介護をしていると、自分の身も辛く潰れそうな時がありますが、側に仲間がいて私のやりたかった仕事をサポートしてくれていると思うと、不思議と元気になれます。 それが、まごころやお手伝い、そしておもてなし。 ひとりぼっちと感じる時間があっても、本当はひとりぼっちになりきる時間なんてなくて、常々仲間がいるものです。 結局、ひとりでは生きてはいけないのです。 だから悲観する毎日じゃなくて、仲間の良い所を見つけて感謝している方が安楽なのです。

写真の力

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 あー来てくれた。 琴絵ちゃん、どこに行ってたの? 不安や心配な表情と、いつもと変わらず会えたことの安堵感の表情が相まって、一生忘れられない記憶となった。 今、出せるだけの力で、救いを求めるように、私の手を握りしめたあたたかな手。 後、どれくらいの時間を一緒に過ごすことができるのだろう。 ほんの少しでも喜んでもらえたら、穏やかな時間を過ごすことができるのであればと、寄り添い向き合った。 お母さん、佐倉のパパのところに行ってきたよ。 今回は、小学校の仕事だったの。 子供たちと、がんばって山に登ったよ。 山にはこんな花が咲いてたよ。 ほら見て、この写真。 お母さん、この花の名前、知ってる? 不穏な表情は一変して、ぱぁっと明るくなった。 お母さん、あれからずっと、花の写真を撮り続けてるよ。

新人ナースのお仕事

  K先生、京都南救急からCPAです。 受け入れいいですか? ルート取って、CBCも採れたら取って。 挿管するで。 マッキントッシュちょうだい。 挿管チューブは7.5Frかな。 スタイレット抜きます。 アンビュー押して。 カウンターショックちょうだい。 離れて、、、あかんか、、、 ボスミン1A心注しようか。 カテラン針22Gでいいですか? アドレナリン0.25mgを生食10mLに希釈して。 戻らんか。 フラットですね。 家族呼んで。 ステルベンの処置お願いします。 お疲れ様でした。 ことちゃんと呼ばれたナース時代の実話です。

桜の花が咲いています

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ベット上で、ご自身では身体を動かせないのです。 唾液や痰が溜まって、声も出せなくなるのです。 息が苦しくなるのです。 辛くて苦しくて呼んでるのに、落ち着かないからと薬で鎮静されるのです。 「手を握って、寂しい。」と言いました。 固い布に被われた手は、これまでご活躍された人生を否定された様です。 固い暖かみの感じられない手に触れた時、素敵な笑顔を私にくださいました。 「桜の花が蕾になって、ピンク色に色付いていますよ。一緒にお花見に行きましょう。」 もっと嬉しそうに笑顔を返してくださるのです。 私も嬉しいです。 余命宣告された母をお花見アクティビティに連れて行った日を思い出します。 あれから、ずっと、花の写真を撮り続けています。 また、一緒に写真を見て下さいね。

Agree to disagree

 why? 悲しんでる、苦しんでる、怒っている。 個人の利益や感情を優先させれば、そうなって当然かもしれない。 営業担当は、個人ではなく組織全体をみて、クライアントに発信していただけなのだろう。 クライアントが求めることは、あなたの概念にはないのでしょう。 社長婦人は、亡くなるその時まで、ご主人様との思いを大切に、ご活躍されたのです。 息を引き取る時、その思いを私に話してくれました。 寄り添ったり向き合ったりしていると、必ず学びがあるのです。 2人で話した事は秘密にしておきますね。